中国・陝西省の「崋山」。中国五名山の一つで歴史的建造物を目標にこの夏も数多くの人々が訪れて登山に挑んでいるが、花崗岩(かこうがん)の険しい断崖絶壁には誰もが「ただ足がすくむ」と表現する。それは決して誇張表現ではないようだ。中国のメディア『網易新聞(news.163.com)』がスリリングな写真数枚とともに伝えている。
国家級風景名勝区(第1期)に指定された陝西省華陰市の「崋山」。その登山はとにかく険しい。岩場に苦心して設けられたであろう石段と、場所によっては幅20cmほどしかない足場や棚状の桟道。断崖絶壁の岩肌に身体を這わせるようにして歩くしかないそうだ。夏休みで連日大勢の人々が訪れているが、ここは決して幼い子を連れた家族が行く先ではない。崋山が世界で最も危険な山登りという意味から“奇险天下第一山”“华山第一天险”などと表現される理由でもあるこの地点。ふざけたり躓いたりして足元のバランスが崩れれば転落しかねない恐怖のポイントで、足がすくんでしまうため「下はあえて見ない」という人も多いようだ。
雲海を見下ろすような天空の空港が山の頂に建設され、地上718m、米グランドキャニオンの回廊より5m長い全長26.68mのスカイウォーク(空中回廊展望台)が誕生し、床板がガラス張りの吊り橋に大勢の観光客が押し寄せる中国。今や多くの景勝地にさらなるスリル感が求められる時代となっている。この夏、ここ崋山も「断崖絶壁の桟道を経験したい」という人々でおおいに混雑しそうだという。