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中国 四川省(下) 黄龍 天空の地 輝く龍のうろこ

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棚田状の池が連なる独特の景観が美しい黄龍の五彩池

2015年12月07日(最終更新 2015年12月07日 14時42分)

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いくつもの小さな滝が整然と並びユニークな景観を見せる場所も

2015年12月07日(最終更新 2015年12月07日 14時42分)

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石灰分が固まって巨大な滑り台のようになった川底がむき出しに。峡谷沿いには不思議な地形が連続する

2015年12月07日(最終更新 2015年12月07日 14時42分)

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2015年12月07日(最終更新 2015年12月07日 14時42分)

それはまさに青く輝く龍のうろこのようだった。

 ここは中国・四川省の奥地、頂上に万年雪をかぶった玉翠山(ぎょくすいさん)(標高5100メートル)から伸びる世界遺産の峡谷「黄龍」。中国では「この世の佳境」といわれるほどの絶景の地だ。その黄龍観光のハイライトである「五彩池」は、標高3千~4千メートルの“天空の地”を延々と歩いたその先にあった。

 観光バスから降り立った黄龍風景区入り口は、標高3100メートルを超えた場所にある。既に酸素は薄く、同行者の中には高山病の症状で「頭が痛い」と嘆く人も。ここから600メートルもの高低差を踏破して五彩池に到達する道のりは厳しく、以前は人が足を踏み入れるのは困難だったそうだ。

 しかし、現在は2006年に整備されたロープウエーがある。ゴンドラに数人ずつ乗り込み一気に数百メートル上ると、そこからはハイキングコースのように整備された道が延びる。

 遠くに真っ白な雪を冠した峰を眺めながら、木漏れ日の中を歩く。酸素はさらに薄くなっており、ペースを控えめにしなければすぐに息切れしてしまう。途中には酸素ボンベを備えた「酸素小屋」もある。

 歩くこと約1時間。目指す五彩池は、ふいに眼前に現れた。ふちが黄色がかった乳白色の池が棚田状に無数に連なる。石灰分を豊富に含んだ水が長い年月をかけて作り上げた不思議な光景。池の色はスカイブルー、エメラルドグリーン、金色と、それぞれが時刻と見る角度によって多彩に変化する。色づき始めた紅葉に包まれたその眺めは、極彩色の山水画のようで時間を忘れて見とれてしまう。

 五彩池を後にすると、スタート地点の風景区入り口に戻るまでひたすら下り道。道沿いには、さらに小さな池が密集して連続する美しい“ミニ五彩池”や、真っ白な大理石で造ったプールのような池が点在する。

 石灰分が固まって底が巨大な滑り台のようになった川や、大きな滝などの絶景も続く。豪快に流れる水の音も心地よく、いつの間にか酸素の薄さも忘れて計6時間の散策を楽しんでいた。

 ●メモ

 黄龍には四川省省都成都」を足がかりに、バスか飛行機で移動。バスなら9時間程度かかる。飛行機なら最寄りの九寨黄龍空港まで1時間弱で、そこから車で2時間程度。福岡空港から成都までは中国東方航空などで上海を経由するのが一般的。高山の気候に徐々に慣れる利点があるため、ツアー商品にはバス利用が多い。

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 ●寄り道=都江堰

 現役のかんがい施設としては最古級の世界遺産「都江堰(とこうえん)」=写真=は、黄龍から成都へ向かいバスで8時間ほどの距離にある。コバルトブルーの湖沼群が美しい世界遺産九寨溝(きゅうさいこう)から続く川「岷江(みんこう)」を2本の川に分け、成都に潤いと洪水防止の恩恵を与える。

 造られたのは約2200年前の秦代。分水した一方の川を湾曲させ、川底を掘り下げた独特の形状にすることで水量をコントロールし、渇水期には農業用水を確保し、洪水期には出水を防ぐ。マルコ・ポーロの東方見聞録にも登場する。

 散策路にある約240メートルのつり橋は、大勢の観光客が歩くとぐらぐら揺れスリル満点。「夫妻橋」の名もあり、夫婦一緒に手をつないで渡ると来世も夫婦になれるとの言い伝えがある。

=2015/12/07 西日本新聞