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情熱と償いを心に秘め、10年間に渡り日本語を教え続けたお爺ちゃん(日本人)―陝西省西安市(転載)

2012年1月10日、中国・陝西省西安市で現地学生に日本語を教えていたお爺ちゃん(日本人)が病気で倒れ、かつての教え子が世話をしている。華商報が伝えた。

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77歳のお爺ちゃん(日本人)は、中国・陝西省西安市に10年住んでいる。10年前、歴史への情熱と戦争への償いの念を持ち、単身西安へやってきた。西安外国語大学の近くで部屋を借り、中国語を3年間勉強したのち、同大学の日本語学科の学生にボランティアで日本語を教え始めた。学生からは「おじいちゃん」と親しまれている。

毎年1月31日と8月31日に日本へ一時帰国するが、今年も学生が正月休みに入り、そろそろ帰国の準備を始める時期に、突然重病で倒れた。かつての学生の1人であった任さんは、先生が倒れたとの知らせを聞き、休み前にもかかわらずすぐに駆けつけた。

任さんはすぐさま先生を病院へ連れて行った。診察の結果、重度の貧血と、肝臓がんもしくは胃がんの可能性があると診断され、精密検査のため入院した。しかし、3日ほど経って意識がはっきりしていないらしく、家に帰りたいといい、任さんは先生を家に連れ帰った。それから、任さんが世話をしている。

任さんによると、お爺ちゃんは毎週6日間3~4時間ほど、学生に日本語を教えていた。お金を取らないだけでなく、よく学生たちを連れて高級レストランでマナーを学んだり、観光名所で社会見学をしていたという。

かつて、西安に来て日本語を教えている理由を、「戦争当時、日本人は中国で大きな過ちを犯した。もし私の行いが少しでも償いとなるならとてもうれしい」と任さんに話したという。

日本では、妻と妹そして3人の息子がお爺ちゃんの帰りを待っていた。しかし、突然の知らせに家族は居ても立ってもいられなかったが、家族全員パスポートを持っておらず、さらにビザの問題で、すぐには迎えには行けないため、妻はお爺ちゃんの帰国を任さんに託した。

お爺ちゃんの妻は、夫の渡中について語った。当時、65歳で定年退職し、家族の反対を押し切り西安に渡った。また、西安に行った理由として、歴史が好きで、古都の西安に興味を抱いたことも大きく影響したと話した。

任さんは、「おじいちゃんにはとても感謝しています。私たちはもう家族も同然なんです」と話している。任さんがお爺ちゃんの世話をしている様子はまさに孫と祖父そのものだった。(翻訳・編集/内山)